【熊野九朗右ヱ門】N0.11 松阪志乃麦酒埦 (W) 11.8 × 11.8 (H) 13.0
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あたり
見終わらない景色
素晴らしい作り手を目の前にして緊張することはほとんど無くなってきましたが、今回、初展示となる熊野九朗ヱ門氏との対面は極度の緊張を強いられました。
もとより、熊野九朗ヱ門氏の情報が極度に乏しく、漸く見つけた情報でも7年前以上という中、数枚の画像を見て素晴らしい作品をお作りになる方であると直感し、お会いする機会を得ることができました。通常は、一見しただけで様々な要素を判断することが多いのですが、熊野さんの作品は、たとえば裏面の一部を見るだけでも、その一箇所に一つの世界が出来上がっているかのようで、見終わることができません。
器の一部だけでこのような印象を受けるのですから、その全体をどう表現すればよいのか、言葉が見つかりません。
熊野九朗ヱ門氏の言葉からは、器が果たす役割を超えた哲学的な視点が見受けられます。彼は、器が「使われる」瞬間よりも「使われていない」時間の存在感や影響力に注目しています。日常生活の中で、視界に入る器が人にパワーを与え、励ます役割を果たせるのが「本当の器の仕事」だと考えています。さらに、器が単なる道具からアートの領域に昇華するためには、器自体がその限界点まで挑み抜く必要があるとも語っています。
焼物における極限の状態を経て、器に特別なオーラを宿すのだと述べています。
これにより、器が単なる実用品ではなく、人の心に響く芸術作品となるのです。