先人の知恵を借りる
ちょっとした弾みにお気に入りの器を破損したことはありませんか。
きっと言葉にできない気持ちになったのではないでしょうか。
でも、諦めるのは早いです。
日本には『金継ぎ』という先人の知恵と美意識が凝縮された修理の方法があります。
金継ぎとは
金継ぎとは諸説ありますが、室町時代頃から伝わる日本特有の修復技術です。割れたり欠けたりした陶磁器や漆器などを漆を接着剤として用いて繕います。
最大の特徴は、継ぎ目に金、銀、朱、黒などで装飾を加えて傷痕を『景色』として楽しむことです。
傷を無かったことにするのではなく、それもまた歴史として受け入れ、新しい調和を生み出すという美意識。
繕いを通じて芸術的、美的価値が高まることもあり、新しいモノが良いという当たり前の感覚とはまた違った価値観を感じることができます。
この素晴らしい技が生み出された理由を想像すると、お気に入りの器が破損した時の気持ちはきっと現代の我々と同じか、それ以上だったのかなと思われます。
金継ぎ代行サービス
金継ぎに少しでも興味がある方は新しい器の購入を検討する前に一度、お試しされることを強くオススメ致します。
少し時間はかかりますが、新しい装いとなって戻ってきた姿は今まで以上に愛着が増し、カケや割れ、ヒビを修繕した姿がそのまま意匠となるその美意識には感嘆させれられるでしょう。
興味や関心があっても、どこで頼めば良いかわからなかった方も多いかと思いますが、ぜひ、気軽な気持ちで金継ぎをお試しください。
金継ぎ暮らし
金継ぎ暮らしは、この取り組みにご協力いただいている東京を中心に活動しているグループです。
年間で金継ぎする器は500個以上。
“楽しい想い出を器に” をモットーとして、丁寧にわかりやすく金継ぎをお伝えします。
活動内容は初心者向け金継ぎ教室をはじめ、郵送の金継ぎ修理受付、SDGsに取り組む企業様のセミナーなど多岐にわたります。
進化し続ける
金継ぎされた器を見たときに持つ感覚は友人がイメージチェンジした時に持つ感覚が近いでしょうか。よく知っていると思っていたものが様変わりした驚きに加え、同時に有無を言わせぬ新鮮な印象を感じさせられるからだと思います。
金継ぎは昔からある技術なのに現代に生きる我々にも新しい出会いの機会を作ってくれます。美しく修繕して最後まで全うする。
金継ぎは今の時代に改めてフォーカスされるべき日本の文化だと思います。